仕事を休むか悩んでいるHSPのためのガイドブック。判断基準や対処法を解説

仕事を休むか悩んでいるHSPのためのガイドブック|判断基準や対処法を解説
悩む人

HSP気質だから疲れやすくて仕事が辛い。仕事を休んでもいいのかな…

この記事では、上記のような悩みを解消します。

敏感で真面目な特性をもつHSPは頑張りすぎてしまったり、周りの環境が気になったりしやすい性質です。

HSPにとって適度に休むことは、仕事を無理せず続けるためにも必要なこと。

今回は仕事を休んでいいのか悩むHSPに、仕事を休むか悩んだときの明確な判断基準や対処法などをご紹介します。

目次

HSPで仕事を休むか悩んだときの判断基準

HSPで仕事を休むか悩んだときの判断基準

上司や同僚の目が気になり疲れてしまう、周りの音や匂いで集中できないなど、敏感な特性があるHSPにとって仕事は辛いもの

仕事を休みたいと感じることも多々ありますよね。

しかし「休んだら迷惑をかけてしまう」「こんなことで休んでいたらダメだ」と踏みきれない人が多いのではないでしょうか。

そこで、HSPである筆者が仕事を休むか悩んだときの判断基準を解説します。

まるお

基本的に休みたいと感じたら休むのがベスト。休職など長期的に休んだ方がいい場合と、1日や2日など短期的に休んだ方がいい場合があります。

長期的に休む(休職する)方がよい場合

HSPが早急にでも長期的に休んだ方がよいのは、うつの兆候が現れたとき

下記のチェックリストに2つ以上当てはまっていて、かつ2週間以上続く場合は”うつ病”の可能性があります。

  • 食欲がない
  • 性欲がない
  • 眠れない、過度に寝てしまう
  • 体がだるい、疲れやすい
  • 頭痛や肩こり
  • 動悸
  • 胃の不快感、便秘や下痢
  • めまい
  • 口が渇く

参考:うつ病|こころの情報サイト

当てはまっている場合は必ず医療機関を受診して診断書をもらい、休職など長期間の休みをとりましょう

繊細で真面目なHSPは、うつ病になりやすいといわれています。

うつ病は早めに治療すれば回復しますが、休まずに放置すれば悪化してしまうことも。早めの療養が必要です。

長期的に休む場合は「傷病手当」を活用しましょう

仕事が辛くてうつの症状に当てはまっていても、お金の心配があって仕事を休めないHSPもいますよね。

そんなときは、精神科をはじめとする医療機関に受診して傷病手当を申請するのがおすすめ。

傷病手当とは?

病気やケガなどが理由で仕事へ4日以上行けなかったときに給料を補填してくれる制度です。

全国健康保険協会が実施しているもので、休んだ期間の給料の3分の2が支給されます(※諸条件あり)。

詳細を知りたい方は全国健康保険協会のサイトを参考にしてください。

ケガや身体的な病気だけでなく、精神的な病気でも手当を貰うことができます。はっきりと病気の診断がおりなくても、「うつ状態」という診断書があれば申請することも可能です。

傷病手当があれば、お金の不安があるHSPさんも安心して仕事を休めますよね。

また、頑張り屋のHSPの中には長時間の残業が続いた人もいるのではないでしょうか?

そんな人は条件を満たせば、労災が下りる可能性も。こういった制度を上手く活用して、あなたの心と身体を守りましょう。

短期的に休む方がよい場合

先ほどのうつ病のチェックリストには当てはまらない、または当てはまる項目はあるけど2週間以上続いてはいないという方は、1日や2日でもとにかく休みましょう

周りに気を使って休むことに罪悪感があるHSPは、無理をしてしまうことが多いです。

「こんなことで休んでいたらダメだ」と思う気持ちも分かりますが、無理を続けていると”うつ病”などの精神疾患になってしまう場合も

自分の気質に合った生活を送っていないと、ストレス関連の疾患や「心因性」の病気を発症する確率が高くなる。

参考:敏感すぎる私の活かし方|著 エレイン・N・アーロン

HSPという概念を提唱した研究者のエレイン・N・アーロン氏も著書ので上記のように述べています。

HSPの人が安定して仕事を続けるには、不調を感じたときに早めに休むことが大切です。

休まない方がよい場合

人の気持ちに敏感なHSPは、休むことで周囲に迷惑をかけるのは気が引けるはず。

  • まだ入社して間もない
  • 休む方が大きな罪悪感やストレスを感じる
  • 身体的に何らかの不調を感じていない
  • まだ自分で何らかの対処をしていない

上記に当てはまる場合は、休まずに自分で対処してみるのも1つの方法です。

HSPが仕事を休まないためにできる対処法も後述しているので、チェックしてみてください。

HSPが仕事を休むメリット・デメリット

HSPが仕事を休むメリット・デメリット

ここまで仕事を休むときの判断基準について解説しましたが、休んだ方がよいと言われてもなかなか休みにくいですよね。

仕事を休むことで自分を責めてしまう人が多いのもHSPの特徴です

ここで一度、HSPが仕事を休むメリット・デメリットについて確認しておきましょう。

まるお

冷静にメリットとデメリットを見つめ直すことで、休むべきかをより判断しやすくなります。

HSPが仕事を休むメリット

HSPが仕事を休むメリットは下記のとおり。

  • 気持ちをリフレッシュできる
  • 精神疾患になるリスクを軽減できる
  • 自分のことを冷静に見つめ直せる

外部の刺激に敏感なHSPは、仕事で様々な刺激を受けていると余裕がなくなり、冷静さを失いがちです。

仕事は短距離走というよりマラソンのようなものなのでペース配分が大切。休むことで外部からの刺激を遮断し、冷静さを取り戻すことができます。

日本では「休む=悪いこと」のような風潮もありますが、休むことは身体や心の機能を向上して、うつ病などの精神疾患になるリスクを減らす効果も

HSPが無理なく仕事を続けるには、適度に休んで自分のペースを保つことが肝心です。

HSPが仕事を休むデメリット

HSPが仕事を休むデメリットは下記のとおり。

  • 人によっては自己肯定感が下がる
  • 仕事に行きづらくなる

真面目なHSPは、仕事を休んでしまうと「自分はダメな人間だ」と考えがち。

仕事を休むことに罪悪感を感じて自己肯定感が下がったり、仕事に行きにくくなってしまうこともあります。

しかし、大きなストレスを抱えたまま仕事に行っても、パフォーマンスが低い状態なのでミスをする可能性が高くなるかもしれません。

安定して仕事を続けるためにも、適度に休むことはHSPにとって必要なこと。身体面・精神面ともに健康でなければ、どんな仕事も続きません。

まるお

「それでも、やっぱり休むことはできない」と考えるのであれば、仕事を休まずに対処する方法をチェックしておきましょう。

HSPが仕事を休むときの上手な伝え方

HSPが仕事を休むときの上手な伝え方

繊細で相手の反応などを考えてしまうHSPが、思い切って「休みたい」と伝えるのは勇気がいりますよね

筆者も精神的な負担が大きくて「休みたい」と感じたとき、上司になかなか言い出せなかったことがあります。

仕事を休むのは悪いことではありませんが、給料をもらっている以上、最低限のマナーを守って適切に伝えるようにしましょう。

長期間(4日以上)仕事を休むとき

長期間仕事を休む場合は、できれば1ヵ月前などから事前に伝えておくのがベスト

上司に2人で話す時間を作ってもらい、休む理由と期間を伝えるようにしましょう

伝え方の例

お忙しいなか時間をいただきありがとうございます。大変申し上げにくいのですが、実は最近ストレスでよく眠れず、身体的にも精神的にも不調が続いております。

ご迷惑をおかけしますが、落ち着くまで2週間ほどお休みいただけませんでしょうか?

理由を聞かれたら、正直にHSPであることを打ち明けてもよいですし、直接的な原因となっていること(人間関係など)を伝えるのもよいです。

できれば、医療機関に受診して診断書をもらって会社に提出するのが一番よい方法です。休みをもらいですし休業手当も受給できます。

短期間(1日〜3日)仕事を休むとき

数日間の休みをもらう場合は、あらかじめ有給休暇を申請して休むのがベストですが、どうしても当日に休みたいと思うこともあるでしょう。

その場合は、朝一番に電話で連絡を入れておくとよいです。深く説明する必要はないので、一言謝罪を入れつつ「体調が優れない」と伝えましょう。

伝え方の例

ご迷惑をおかけして申し訳ありませんが、本日体調が優れないのでお休みいただきたいです。

「嘘をつくのはちょっと…」と思う方もいるかもしれませんが、心の不調は身体の不調と同じ。嘘にはなりません。

仕事を休むHSPにおすすめな過ごし方【実体験ベース】

仕事を休むHSPにおすすめな過ごし方【実体験ベース】

せっかく仕事を休めても、罪悪感に押しつぶされてしまったり、自己嫌悪にかられていては意味がありません。

「休む」ことは、一旦仕事から離れてあなたの身体や心の不調を整えるためのもの。頭であれこれと考えてしまっていては、より負担がかかってしまいます。

休んでいる間に確実にリフレッシュするためには、どのような過ごし方をするかが重要です。

まるお

HSPである僕の経験から、リフレッシュするために効果的な過ごし方をご紹介しますね。

趣味に没頭する

趣味を作って没頭することで、仕事から離れて気持ちをリフレッシュできます。

とくに身体を動かしたり、自分の感情を表現したりできるような趣味がおすすめです。

HSPにおすすめな趣味
  • 御朱印集め
  • スポーツジム
  • ブログ
  • イラスト、漫画作成
  • 絵画教室 etc…

筆者の場合は詩を書いたり、ボクシングジムに通ったり、感情を様々な形で吐き出せるような趣味が合っていました。

気持ちを吐き出しつつ没頭できる趣味があれば、仕事の辛いことを忘れて気持ちもスッキリしますよ。

やりたいことが見つからなくても、とにかく行動してみることが大切です

友人と過ごす

気が置けない友人と過ごす時間は、傷つきやすいHSPの心の支えになります

悩んでいるときほど一人になろうとしがちですが、時には友人との時間で救われることも。

カフェや居酒屋で語るのもよし、一人ではできないようなことをするのもよし、友人と会ってストレス発散しましょう。

そんなに親しい友人がいないという人は、先述したように趣味を作ることで新たな出会いがあるかもしれません

旅行に行く

ある程度の時間が確保できたなら、思い切って旅行に行くのもおすすめ

HSPは外部からの刺激に敏感ですが、それは良い刺激でも同じです。旅行で普段は行かないような場所に行くと良い刺激を受けられます

また、外を歩いて日光を浴びることでセロトニンが分泌され、睡眠のサイクルが整ったり、ストレスを和らげたりすることができます。

日光を浴びると、私たちの脳内では「セロトニン」という神経伝達物質が分泌されます。

セロトニンは、精神の安定や安心感や平常心、頭の回転をよくして直観力を上げるなど、脳を活発に働かせる鍵となる脳内物質です。

特に、ストレスに対して効能があり、自らの体内で自然に生成されるもので、精神安定剤とよく似た分子構造をしています。

参考:セロトニンの増加が心身に及ぼす効果|医療法人社団 平成医会

距離が近い場所にプチ旅行するのもよいですし、せっかくの休みなら旅行してみるのはおすすめですよ。

HSPが仕事を休まないためにできる対処法

HSPが仕事を休まないためにできる対処法

先述したように身体的な症状が出ていない場合や仕事を休めない場合は、自分でHSPの特性に上手く対処してみましょう。

仕事が上手くいっているHSPが実際に行っていた対処法を3つご紹介します。

1. 職場に理解を得る

HSPの過敏さによる困りごとは、ほかの人には分かりにくいもの。

仕事で困りごとがあれば上司にHSPであることを伝えて理解を得るのが得策です

具体的には、

  • 耳栓やイヤホンを使用する
  • 自分の席をパーテーションなどで区切る
  • 一人で業務に取り組む時間や環境を作ってもらう
  • 配置転換してもらう

などの配慮をしてもらうことで、仕事がしやすくなります。

筆者も周囲に人がいると落ち着かないので、一人で仕事できるようにしてもらっています。

HSPは光や音に敏感で仕事に集中するのも一苦労ですが、周りの理解があれば、本来の力を発揮してノーストレスで仕事に取り組むことができますよ。

2. 一人の時間を作る

様々な刺激を強く受けるHSPにとって、一人で落ち着いた時間を作ることはとても効果的です

外部からの刺激に心がついていかず、ざわざわとした気持ちで落ち着かないことも多いでしょう。

そんなときは、一人になれる場所で深呼吸する、ハーブティーを飲む、外を少し散歩するなど、落ち着ける時間を作ってみるとよいですよ。

3. 仕事に対する取組み方を変える

あなたがHSPであることは変えられません。HSPは病気ではなく、あなたの気質だからです

変えられないことに目を向けるよりも、変えることができる”仕事への取組み方”に目を向けましょう。

仕事への取組み方の例
  • 変えられないことに目を向けない
  • 敏感さが問題なら、どう刺激を軽減できるか考える
  • 実践してみる

物事を一歩引いた目線で見てみると、同じことが起きても冷静に対処できるようになります

HSPの特性は変えられなくても、物事の捉え方を工夫すれば、ストレスに流されにくくなりますよ。

どうしても解消できないHSPは転職も検討しよう

今回は、仕事を休むか悩んでいるHSPが休むのか判断するための基準や対処法などをご紹介しました。

記事のポイント
  • 休むか迷っているなら基本は「休む」のがベスト
  • うつの傾向が高いなら休職もあり
  • 休めないなら3つの対処法を試してみよう

適度に休んだり、自分で対処してHSPの特性と向き合っても解消されない場合は、転職を視野に入れるとよいです。

刺激に反応しやすいHSPの特性は、必ずしも悪いものではありません。見方を変えれば、真面目でよく気が付くなど、HSPならではの長所にもなります

さらに、物事を深く読み取るHSPの特性はクリエイティブな能力を発揮することも。

まずは休んでストレスを軽減しつつ、自分を見つめ直してベストな方法を見つけましょう。

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